祭りの写真など

枕太鼓いろいろ

大阪市内に多くみられる太鼓台であって、あまり話題に上がることのない枕太鼓を特集。

・枕太鼓とは
枕太鼓は屋根や四隅に柱などがなく、前後に枕(現代のではなくて昔の枕)の形をしたものを載せている太鼓台のことです。枕は太鼓乗りの背当てで防護の役割があります。太鼓台の発展の歴史の中では初期形態の枠太鼓の一種と推測されます。太鼓台は枠太鼓→柱太鼓→屋根太鼓という風に発展していったというのが通説です。
枕太鼓を含む太鼓台の役割は祭りの到来を告げ、渡御の道中の邪気を払う露払いとしての触れ太鼓です。多くの場合で神輿渡御では太鼓台が先頭を行きます。地車ともっとも違うところは、地車は氏子の持ち物であって、太鼓台は神社の持ち物であるということです。つまり神社につき太鼓台は一基が原則です。故に枕太鼓は「よその村よりも大きくて豪華なものを」という競い合いはなく、彫刻や刺繍などがほとんどありません。そのかわり発達したのが運行方法です。太鼓の打ち方を見ても、赤い投げ頭巾を被った太鼓乗りが体をそらせたり、体をひねったり、大きな所作でで太鼓を打つ姿は格好いいものです。宮入などでは太鼓台を横倒しにしたり、シーソーのように揺らす派手な動きは見ていて興奮します。太鼓乗りの所作がよく見えるのも、派手な練りができるのも、枕太鼓が簡素な作りであるからこそです。
枕太鼓でもっとも有名なものは大阪天満宮の天神祭に出る太鼓中の催太鼓でしょう。過去には大阪五大太鼓と呼ばれた太鼓(太鼓台)があり、天満宮の催太鼓、野田えびす神社の太皷、御霊神社の靭太鼓、茨住吉神社の亀甲太鼓、生國魂神社の報知太鼓がありました。いくたまさんの報知太鼓は戦災で焼失し現存せず、現在祭りに出ているのは戦後に復興したものです。
大阪以外の枕太鼓としては兵庫県西脇市の高田井の暴れ太鼓があります。枕はないものの同様の枠太鼓として香川県高松市の女木島住吉神社の太鼓台があります。いずれも大坂から伝わったもののようです。

・枕太鼓の出る祭り
枕太鼓はほとんどが大阪市内の夏祭りに出ます。一部、尼崎市、茨木市、東大阪市など周辺地域でも見られます。大阪特有の太鼓台と言えるかもしれません(?)。先の五大太鼓は全て夏祭りに出ます。また、枕太鼓は地車やふとん太鼓よりも構造が比較的簡単なので子供用の山車として子供会や自治会で自作されることも多く、夏祭りの時期に大阪市内を歩けばいくつかと遭遇することでしょう。

・生國魂神社夏祭り7月11日・12日
・御霊神社夏祭り7月16・17日
・海老江八坂神社夏祭り7月17・18日
・比売許曽神社夏祭り7月第3土日
・野田恵美須神社7月19・20日
・茨住吉神社7月22・23日
・天神祭7月24・25日
・西九條神社夏祭り7月25・26日
・野里住吉神社7月31日・8月1日
など。

以下、枕太鼓の写真です。
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大阪天満宮、太鼓中の催太鼓。
例祭である天神祭にて触れ太鼓などの性格を帯び、祭りの花形の一つ。太鼓中は数ある講の中で唯一「中」を名乗っている。
発祥は不詳であるが、本宮に使用される太鼓は大和川付け替えの折に太閤より大阪城の陣太鼓を拝領したものと伝わる。宵宮の地域巡行の途中、青物市場のあたりで「太鼓換の儀」が行われここで交換する。
太鼓中は大阪の各市場の人々が母体となっておよそ1100人ほどが参加している。そのうち太鼓を打つ願人(がんじ)は6人6組の36人しかいない。願人は頭には烏帽子が変化したものと言われる投げ頭巾を被り、カラフルな衣装を身に着ける。赤は太陽、白は雲、黄色は土、青は水や空などを表している。(江戸時代には祭り期間中の願人は一国一城の領主と同じ身分であったという。要出典)
太鼓の打ち方(太鼓中では太鼓を打つという)は十種ほどあり、場面ごとに打ち分けられる。たとえば「カタセ」はカタ(舁ぎ方)を集めるときに打たれる。「かーたーせっ」という掛け声とゆっくりしたテンポの打ち方です。
「からうす」というのは太鼓台の下に丸太を噛ませ、前後方向や左右方向に倒す練りである。願人は振り落とされないように注意しながら、太鼓を打ち続ける。また頭巾が落ちるとからうすは中断してしまうのでこれにも気を配っている。
太鼓中の願人以外の衣装はその柄が細かいほど長い年数在籍している、つまり年功序列であるから、偉い人である。太鼓台の四隅に乗っているのは采頭と采方で、采配を振って舁ぎ方に進行方向などの指示を出す。

太鼓台の外見上の特徴は、白い無地の枕に太鼓中と書かれている、からうすに耐えるため頑丈な構造をしている、勾欄や彫物はない、担ぎ棒は4本である。

7月24日宵宮の夕方に氏地を巡行し、町内に祭りの到来を触れ回る。宮出時には境内でからうすを披露する。道中、青物市場前で太鼓換えの儀が行われ、本宮用の本太鼓に交換される。宮入時は門前でもからうすをするようだ。
翌日25日本宮は陸渡御、船渡御の先頭を行く。宵宮同様、宮出時に境内でからうすを披露する。宮出後は高速道路の下あたりまで担いでゆく。道中、中央公会堂前で観覧席の人向けにからうすを披露する。天神橋北詰めあたりから担ぎ、船に乗り込む。船渡御でも先頭を行く。宮入は21時ころである。
天神祭前夜祭(7月23日)では京橋はOBPのツイン21で催太鼓、地車囃子、獅子舞が披露される。このときが一番見やすいと思います。



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海老江八坂神社、北之町太皷
海老江は東西南北4町に分かれており、北を除く3町は地車、北は枕太鼓である。

宵宮は朝に四町合同でお祓いを受けた後、戸別に花集めとなり、太鼓も地車も出ない。夕方、子供神輿が出る。子供神輿が帰ってくると4町の囃子の競演、そして宵宮パレードとなる。宵宮の宮入はあっさりとしている。
本宮は朝にお祓いを受けた後各町宮出となる。北之町は総代宅や会館などで担ぎあげがある。15時頃より阪神野田駅前から神社南側のセブンイレブンの交差点(通称:海老駒交差点)まで四町パレードがあり、年によって(夏祭りが休日開催の年?)は海老駒交差点で四町同時担ぎあげ(四町突合せ)がある。宮入は20時ころから始まる。宮入一番は必ず北太皷です。

太鼓台の外観上の特徴としては、四人乗り、枕に刺繍、担い棒は4本。
練り方は片側を上げて回転、担ぎあげ、差し上げ。回転は道中の辻々では台車ありで、宮入では台車なしで行われる。

淀川対岸の野里住吉神社も東、西、南が地車で北が枕太鼓(往古は蒲団太鼓?)なのは何か関連があるのだろうか。


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野田恵美須神社、太皷中
夏祭り7月19日・20日に出る。試験担ぎもあるらしいです。
6人乗りの枕太鼓で、両日夜の宮入では境内を走り回ったり、担ぎあげ、差し上げ、横倒しなどもある。
私はここの願人の所作が好きです。



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旭区八幡大神宮、六人枠
2年に一度(西暦奇数年)の夏の渡御(7月第2日曜日)では八幡大神宮の氏子六村合同で六人乗りの太鼓枠、六人枠が出ます。各村より一名ずつ太鼓乗りが乗り、朝から夕方までかけて六村を巡ります。台車はなく全行程担いでいきます。各村の会館前などで「こりゃこりゃ」の掛け声で枠を揺らしたり、差し上げたり、差したまま揺らしたりしてその場所いっぱいいっぱいに練ります。やはり太鼓に乗る人は赤い投げ頭巾を被ります。
秋祭りは毎年9月第2土日です。金曜日夜には触れ太鼓が回ります。日曜日本宮は昼から夕方まで六村の太鼓枠が入れ代わり立ち代わり宮入りします。秋祭りには六人枠は出ず、四人枠が出ます。女性用の枠など複数の太鼓枠がある村もあります。別所には守口市滝井より譲り受けた小型の地車もあります。ほかに獅子舞もあるようです。



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守口市、高瀬神社、太鼓枠
夏祭り(7月22・23日)、秋祭り(10月22・23日)で地車が神社前に据えられた後に出てくる太鼓枠です。夜、20時ころから30分ほどかけて神社の回りを回るのみです。神社前では八幡大神宮同様にこりゃこりゃの掛け声で練りまわります。



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なにわの夏祭りの始まりを告げる生國魂神社の枕太鼓は大阪市の旧・東区地域の人々が中心となって運営されています。報知太鼓と呼ばれる枕太鼓がありましたが戦災で焼失し、この時に太鼓の打ち方なども途絶えてしまいました。しかし氏子の皆さんの努力と熱意によって古来の姿に近しい形で復興しました。宵宮・本宮両日とも夜の宮入は境内を走り回り、シーソーのように前後に揺らしたり、横倒しにしたりと暴れまわります。太鼓を打つ願人(がんじ)の衣装は晴れ着と呼ばれ、頭には赤い投げ頭巾をかぶります。ただし、担がないのが少し残念なところです。
このいわゆる大人枕太鼓のほかにも子供枕太鼓があります。
行宮には中太鼓、子供太鼓があります。中太鼓は女の子がメインの太鼓台です。

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中太鼓です

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子供太鼓です



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西九條神社


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露天神社、役太鼓




参考文献
うえいくネット http://www.ueroku-wake.net//index.php
近畿風雲抄 http://www.h4.dion.ne.jp/~toso504/koto/koto.html
新森若葉会 http://www.wakaba-kai.net/
「日本の祭と神賑」森田玲 創元社 2015年
太鼓台文化圏(TBK)に生きる  http://park2.wakwak.com/~taiko/index.html
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  2. 地車・太鼓台など
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