祭りの写真など

2018年金峯山寺蓮華会・蛙飛び行事

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2018年7月7日土曜日、奈良県吉野町、金峯山寺・蔵王堂の蓮華会・蛙飛び行事を見てきました。
毎年7月7日開催のため、土日に被る年は人が多いと思いきや、この日はあいにくの天気だったためにそれほどの人出はありませんでした。

蓮華会は毎年7月7日(旧暦6月9日)に大和高田市の奥田の池で取ってきた蓮を蔵王権現にささげる行事です。
蛙飛び行事は蓮華会のなかの行事の1つで、金峯山寺の高僧によって蛙が人の姿に戻るという寸劇が披露されます。
蛙は愛嬌があるので、なかなか人気の行事となっています。

太鼓台マニアの間では奈良県で夏に出る数少ない太鼓台と言うことで知られています。
蛙飛び行事の蛙は蛙太鼓台に乗って、竹林院~ロープウェイ駅~蔵王堂を巡行します。
休憩場所では休憩前に「うかせよ」の掛け声で太鼓台の練りがあります。
太鼓台の巡行する道は狭く、前後は警察官がついて歩きはるので、カメコ・見物人の追い越しは原則できません。
休憩中に追い越すか、わずかにある追い越しスポットを把握して撮影に臨むとよいかもしれません。

蛙飛び行事の太鼓台の行程については「お土産・お食事処:花山山本」さんの行事紹介ページが詳しいです。
→ https://87yama.sakura.ne.jp/kaeru.html

交通アクセスは
〇近鉄電車吉野駅から蔵王堂まで徒歩20分程度、竹林院まで徒歩30分から40分程度。
 吉野駅前から吉野ロープウェイを使えば徒歩時間を10分から15分程度減らせます。
〇マイカーの場合は下千本駐車場(吉野山観光駐車場、料金無料)から蔵王堂まで徒歩15分程度、竹林院まで徒歩30分程度。
ほか吉野大峯ケーブルの路線バスが下千本駐車場・吉野ロープウェイの駅から出ていますが、太鼓台運行時間帯は運休します。

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12時半に竹林院を出発し、山を下って行きます。


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喜蔵院前で「うかせよ」
うかせよの掛け声で担ぎ手が飛び跳ね、太鼓台を揺らします。
この所作は休憩前に都度行われます。


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勝手神社前でも同様


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吉野山のメインストリートを進みます。


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東南院は境内で休憩します。仏塔があって背景が良いので撮影適地。


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蔵王堂前です。
蔵王堂前の手前から「牡丹に唐獅子、竹に虎」のよく聞く囃子唄が歌われます。
歌詞
 牡丹に唐獅子 竹に虎 虎追うて走るは和藤内
 あとないお方に知恵貸そか 知恵もって説くのはまことなり
 なりはボロでも錦かな にしきかなうは吉野山
 山にさかるは白い花 花咲く旅路は山桜
 桜山には神宿る 宿る神様権現さん
 権現さんにええ知恵もろたろか 知恵の中山蔵王堂
 蔵王堂のおっさん坊さんで 坊さん蛸食うてへとついた


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蔵王堂東側


無題
上の写真は1961年撮影のものです。現在の蛙太鼓台は布団太鼓ですが、以前は屋根のない簡素なものでした。
いつごろまで屋根なしタイプが使われたかは分かりません。
関西大学大阪都市遺産研究センター編『三村幸一が撮った日本の祭り 大阪歴史博物館所蔵資料から』リーフレットより引用
https://www.kansai-u.ac.jp/Museum/osaka-toshi/img/publication/mimura02.pdf

吉野町文化協会編『ふるさと吉野 懐古写真集』(1986) http://www.library.pref.nara.jp/supporter/naraweb/hurusato%20yosino%20kaikosyasin.html
にも屋根なし時代の蛙太鼓台の写真があります。
仁王門の石段を上るところでしょう。三村幸一氏の写真と、太鼓台の装飾が異なること、担ぎ手の衣装にも注目。


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仁王門前で、蓮行列の厨子が合流地点(吉野ロープウェイ駅前)へ向かっていきました。


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黒門の手前で休憩


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ロープウェイ駅前でうかせよ


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奥田から蓮も到着しました。
ここで奥田の蓮取り見物を終えた観光ツアー客もほぼ同じころにやって来るので、一気に見物人が増えます。
蛙さんとのツーショット写真を撮りたいならば、ここより前に済ませておくのが良いかもしれません。


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銅の鳥居の石段を上ります。駅に向かうときは横の坂を通ります。


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宮入ならぬ、寺入り?
本来は仁王門から入るのですが、工事中のため南側から入ります。
境内で蛙を降ろした太鼓台はすぐに下りてきます。そしてすぐに太鼓台の解体が始まります。


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蛙太鼓台の退場とほぼ同時、修験者さんやお坊さんたちの蓮行列が入場してきます。


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大体そんな感じでした。



太鼓台の休憩場所
・喜蔵院前
・勝手神社前
・東南院境内
・蔵王堂前
・仁王門前
・銅の鳥居石段下
・黒門前
・吉野ロープウェイ駅前(奥田からの蓮行列と合流)
・黒門前
・銅の鳥居
・仁王門前



昔の蛙飛び行事の様子はいくつかの文献に記されています。
中山太郎 著『校註 諸国風俗問状答』(1942)p353や四時堂其諺 編『滑稽雑談』第1(1917)p498下段など。どちらもNDLデジタルコレクションで閲覧できます。
これらの文献によれば奥田の蓮取りは旧暦6月8日、蛙飛び行事は旧暦6月9日の夜に行われていたようです。
また『滑稽雑談』によれば蛙飛び行事の内容は、僧が蛙を祈り責め、祈り殺し、死体を戸板に載せて運び、湯水を掛けて蘇生させるとあります。
つまり、昔は太鼓台に蛙を乗せて巡行していなかったということでしょう。

いつから蛙太鼓台が登場したのでしょうか。
写真がある、1961年(昭和36年)にはすでに蛙太鼓台があったが分かります。
また上記文献から江戸時代には太鼓台は無かったことが分かります。
それ以上の事は分からんね。
想像ですけど、吉野山の秋祭りの太鼓台よりは新しいんじゃないでしょうか。つまり堺型布団太鼓の制作年代から、明治以降では?


それから、いつに「蛙を祈り殺して蘇生させる」儀式から、「蛙を人の姿に戻す」儀式になったのかも気になりますね。
金峯山寺は明治期に廃仏毀釈、修験道の禁止で廃寺になっており、蛙飛び行事が一時途絶えています。
この中断時期が一つの区切りであると考えられそうです。
あるいは戦後に金峯山寺が独立した宗派として再興するあたりも機会になりそうですね。
 明治7年 金峯山寺が廃寺
 明治19年 天台宗修験派として金峯山寺再興
 昭和20年 太平洋戦争終戦
 昭和23年 天台宗から分派独立して大峯修験宗が成立
 昭和27年 大峯修験宗を金峯山修験本宗と改称


なぜ蛙なのかというのも疑問でしょう。
蛙飛び行事は畑仕事の間に殺してしまった小さい虫たちの供養の行事とも考えられているようです。
つまり、蛙はそれらの虫を代表する小さい生き物の象徴ということでしょう。

蓮華会にささげられる蓮を取る池がある奥田に一つ目蛙の昔話が伝わっているのも、無関係ではないでしょう。
奥田は修験道開祖役行者の母である刀良売が住んでいたところです。
刀良売は手違いによって一つ目蛙を殺してしまうという話です。
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