祭りの写真など

太鼓台の担ぎ歌について、大阪市編

「太鼓台の担ぎ歌・囃子唄について」 http://hatotetsu.blog89.fc2.com/blog-entry-1110.html という記事を2017年に書いてからちょくちょく書き足してはいたんですが、煩雑になってきたので地域別に記事を書こうと思います。
この記事では大阪市編として大阪市の太鼓台・布団太鼓・枕太鼓の歌について書いていきます。

大阪市内の太鼓台担ぎ唄は大阪市西部や沿岸部で聞くことができます。
具体的には此花区、西淀川区、西区、中央区、港区、浪速区、西成区、住吉区、住之江区あたり。地車が盛んな東部では(少なくとも現在では)歌う地区は無いと思います。
「牡丹に唐獅子竹に虎」、「石山の秋の月」、「行こか戻ろか住吉の」、「一とや二とや三四五」なんかがよく歌われています。

港区三社神社、三津神社、港住吉神社、西区茨住吉神社などでは聞き取りできていないので来年以降に持ち越しです。


留意点
その町で歌われる全ての歌詞を網羅して紹介できているわけではありません。
紹介した歌詞以外にも歌詞があることがあります。
動画の音声等から書き起こした場合、本来と文字が違っていたり聞き間違っていたりすることがあります。

誤り等を見つけられましたら是非ご指摘ください。

大阪市
此花区
伝法地区:澪標住吉神社、鴉宮:夏祭り7月31日、8月1日
伝法地域は北が澪標住吉神社を、南が鴉宮を氏神としている。北は北中太鼓、北上太鼓、北五太鼓、高見太鼓などがあり、南は南上太鼓などがある。
高見太鼓以外ではほぼ共通した歌詞が伝わっており、歌い出しが「行こか戻ろか住吉の」、「近江石山秋の月」、「牡丹に唐獅子竹に虎」、「稲荷の鳥居に猿のケツ」、「うちの隣のお茶婆さん」の5つの歌詞が基本になっている。
北上太鼓と南上太鼓では「南堀江の五丁目の~」を歌うのを確認した。歌詞全文は不明。
稀に「一掛け二掛けて三掛けてしかけたおそそはやめられぬ~」で始まる少し卑猥な歌が歌われることもある。
記した以外の歌詞が歌われることもある。
北中太鼓で聞き取りすると歌詞は口伝のため歌詞カードは作っていないとのこと。
北五太鼓で聞き取りすると歌詞カードを拝見することができた。
高見太鼓は堺の芦原濱から布団太鼓を購入した経緯があり、堺風の担ぎ歌が歌われるほか高見オリジナルの歌詞も歌われる。

北五太鼓の歌詞(歌詞カードを参照):他の太鼓も細部や結末に差異があるが歌い出しはほぼ共通している。

稲荷の鳥居に猿のけつ けつとけつとのおしあいで
押せや押せ押せしものせき おせきが弟は長吉で
チョキチョキおばばのおつもてんてん てんてん天満のはだかん坊
はだかでふるてる古川橋 それを苦にして国津橋
かねは一文中津橋
エーラエーラ エラサッサ
 ※古川橋、国津橋、中津橋はいずれも古川にかかっていた橋。

いこか戻ろか住吉の ししゃの前なるそーれ橋
渡って沖を眺むれば 七福神のらく遊び
中にもえべっさんという人が 金と銀との釣り竿で
黄金のお針で鯛釣って 鯛釣ったおかげでかかもろて
もろたおかかがかわらけで 隣のおかかもかわらけで
かわらけ同志が喧嘩して どちらもけがのうてええじゃないか
エーラエーラ エラサッサ

牡丹に唐獅子竹に虎 虎追うて走るは和藤内
まとないお方に知恵貸そか 知恵の中山せんがんじ
せんがんじの和尚さんぼんさんで ぼんさん鉢巻こたえがない
エーラエーラ エラサッサ

近江石山秋の月 月にむらくも花に風
風の便りはえどがしま 島の上には五郎十郎
ゴロゴロなるのはなんじゃいな 地震雷やそいたち
エーラエーラ エラサッサ

うちの隣のおちゃばさん やきもち焼ことてお手焼いて
その手でおしゃかさんの顔なぜて おしゃかさんもあきれてとんででた
エーラエーラ エラサッサ



高見の歌詞

石山の秋の月 月に群雲花に風
風の便りはあわの島 島の財布に五両十両
ゴロゴロ鳴るのはなんじゃいな 地震雷あと夕立
べーらべーらべらしょっしょい

牡丹に唐獅子竹に虎 虎追うて走るは和藤内
和藤内お方に知恵貸そか 知恵の中山清閑寺
清閑寺のお住さん坊さんで それ故八朔雨じゃいな
べーらべーらべらしょっしょい

堺は開口の大寺の 〇〇〇〇〇太鼓というたなら
芦原濱の太鼓台 芦原濱というたなら
高見の有志が譲り受け 〇〇〇〇〇
〇〇〇〇〇 大阪一のええ太鼓
べーらべーらべらしょっしょい

そもそも高見の始まりは 枕太鼓に始まって
幾多の苦労を乗り越えて 布団太鼓に変えたとさ
勇壮華麗と名をはせた これぞ高見の太鼓台
べーらべーらべらしょっしょい

行こうか戻ろうか住吉の 四社の前なる反橋
上がって沖を眺めれば 七福神の楽遊び
中でもえびすという人は 金と銀との釣竿で
黄金のお針で鯛釣った 鯛釣ったおかげでかかもろた
もろたおかかはかわらけで 隣のおかかもかわらけで
かわらけどうしが喧嘩した どちらもけがのうてえじゃないか
べーらべーらべらしょっしょい

そもそも太鼓の始まりは 昔むかしその昔
神代の昔お伊勢様 天の岩戸へ隠れましょ
その時末社の神達は 岩戸の前に集まりて
笹に鏡をつり下げて 多くの鶏を鳴かしける
猿田うずめのりょうみこと 太鼓をたたいて舞い給ふ
一入お気に入らせられ 岩戸を再び出で給ふ
これぞ神楽太鼓のはじめなり
エイヤ エイヤ ヨササッサ
 うちわに書かれた歌詞を参照
 これは上田長太郎『上方叢書第貳篇 大阪の夏祭』に載っているものとほぼ同じ。
 参考動画:TaroSannbon大阪祭礼記「平成24年 大阪市此花区高見太鼓入魂式・お披露目」 https://youtu.be/JlGXKbVqgIM



その他聞いた歌詞

近江石山秋の月 月に群雲花に風
風の便りは田舎から 唐をかくせし淡路島
縞の財布は四五十両 五郎十郎は曽我の五郎
ゴロゴロ鳴るのはなんじゃいな ピカピカ光るは稲光
エーラホーラエラサッサ

近江石山秋の月 月に群雲花に風
風の便りは田舎から 唐をかくせし淡路島
縞の財布は四五十両 五郎十郎は曽我の五郎
雷子は嵐の三五郎で ……

……はだかでふるてる古川橋 それを苦にして国津橋
銭は無いので中津橋 案じ案じて安治川橋
 ※古川橋、国津橋、中津橋は古川にかかっていた橋、安治川橋は今の安治川トンネルのところにかかっていた橋。


南堀江の五丁目の 〇〇〇〇〇太鼓と名を付けた
布団は七畳 黒光り 金襴緞子に白装束
 聞き間違い
南堀江五丁目の 小便太鼓と名を付けて 布団は七帖 黒天鵞絨 金欄緞子に猩々緋
……
 ※かつて南堀江五丁目や長堀富田屋町には布団太鼓があった。南堀江五丁目の太鼓は小便汲み取り代金を集めて作ったから小便太鼓と名を付けたという。


参考動画:hikd1027「2014年08月01日 大阪市此花区 鴉宮、澪標住吉神社、高見公園夏祭り」 https://youtu.be/eVZ7ZpP_W2Q?t=4m13s
昔は南上太鼓のホームページがあって歌詞が載っていたんですが、今はページが消えていて見ることができません。此花区の広報に部分的に引用されているのが残っている程度です。


西淀川区
・野里 住吉神社:夏祭り7月31日・8月1日
北之町枕太鼓(北太鼓)

近江に石山秋の月 月にむらくも花に風
風の便りは田舎から からをかぶせし淡路島
島の財布に四五十両 五郎十郎曽我の事
えーらほーらえらさっさ

牡丹に唐獅子竹に虎 虎追うて走るは和藤内
まとないお方に知恵貸そか 知恵の中山清願寺
清願寺の和尚さん坊さんで 猫を紙袋(かんぶくろ)にどしこんで
にゃんこにゃんこないている
えーらほーらえらさっさ
 2018年の夏祭りで聞き取り


鼻川の担ぎ唄は野里北之町の歌詞を基にしている。

・鼻川神社:夏祭り7月3連休の土日頃

近江に石山秋の月
月にむら雲花に風
風のたよりは田舎から
腹を隠せし淡路島
島の財府にゃ四五十郎
四五十郎は曽我のもと
エーラホーラエラサッサ

牡丹に唐獅子竹に虎
虎追て走るは的(まとと)なり
的ないお方に知惠貸そか
知惠の中山清願寺(せんがんじ)
清願寺の和尚さん坊さんで
猫を紙袋に押し込んで
ニャンコニャンコ泣いている
エーラホーラエラサッサ
 「鼻川祭」 http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Hinoki/7102/hanamattop.htm から引用




西区
・茨住吉神社:夏祭り7月22日・23日
 歌あり、歌う機会はあまり多くない?


港区
・港住吉神社:夏祭り7月14日・15日
 

行こか戻ろか住吉の 住吉浜辺の高灯籠
上がって沖を眺めれば 七福神の楽遊び
中でもえべっさんという人は 金と銀との釣竿で
黄金のお針で鯛釣って 釣った魚で蔵建てた
商売繁盛の神様で 繁盛繁盛の大繁盛


 2017年夏祭りで撮影した動画などより書き起こし
 「晴耕雨読 -田野 登- フィールドワークでの余興」 https://ameblo.jp/tanonoboru/entry-11705229556.html によると過去は「かわらけ同士が喧嘩した」の歌詞だったという。
参考動画:SAEKO9090 「②住吉祭2018/8/1」 https://youtu.be/knr6R92GZd4?t=5m40s

・三社神社:夏祭り7月20日・21日
 歌あり。通常の巡行時には歌わず、宮入時などに歌う。
 参考動画:OKANai3105925「三社神社夏祭り2012 宮入Ⅰ」https://youtu.be/1jBy1VwC5zs

・三津神社:夏祭り7月22日・23日
 歌あり。「行こか戻ろか住吉の……かわらけ同士が喧嘩して、どちらも怪我のうておめでたい」
 参考動画:tanakasoft「2012年 三津神社・宮入(平成24年)」 https://youtu.be/ASUTp_Drgjc


中央区
・坐摩神社
 夏祭りでは末社の浪速神社がある西浜町(元・渡辺村。現・浪速東、浪速西)から布団太鼓(「飛龍」・「龍虎」)が出たというから唄はあったと推察される。西浜からは船で運ばれたという。
 西浜のふとん太鼓の絵は『浪華名所図』に描かれている。(大阪市立図書館デジタルアーカイブで閲覧 http://image.oml.city.osaka.lg.jp/archive/detail.do?id=29294
 ふとん太鼓の写真は 「浪速部落の歴史」編纂委員会(1997)『渡辺・西浜・浪速 ―浪速部落の歴史―』で見ることができる。
 西浜の夏祭りについては右記サイトに説明が載っている→大阪同和・人権問題企業連絡会「おおさかじん(1) |なにわフィールドミュージアム」 http://www.osaka-doukiren.jp/series/series03/series03_1/334

・難波神社:夏祭り7月20日・21日
現在は布団太鼓は幸町の子供布団太鼓があるが歌は無い。往古は布団太鼓が有名だった。
摂社の博労稲荷神社が有名で「稲荷の鳥居に猿の尻」の歌詞はここが発祥か?
宮本又次(1975)「大阪の祭り風土記」、『大阪春秋』第7号より歌詞を引用する。

・稲荷の鳥居に猿の尻 尻と尻との押し合いで
おせおせおせきの弟は長吉で ちょちちょちあばばのおつもてんてん
てんてん天満のはだかんぼ 行こか戻ろか住吉の
住吉浜辺の高灯籠 上って沖を眺むれば
七福神の船遊び 中にも夷という人は
金と銀との釣竿で 黄金の針で鯛釣って
釣ったお陰で嬶もろて ……

・牡丹に唐獅子竹に虎 虎追うて走るは和藤内
わとないお方に知恵貸そか 智恵の中山せいがん寺
誓願寺の和尚さん坊さんで エーラホーラエラサッサ

・富田屋町の太鼓には紫檀黒檀たがやさん……


難波神社氏子には材木商が多くあり、良材を用いて布団太鼓を競って作った。アピールポイントを歌う町もあった。
長堀の富田屋町、南堀江の5丁目の太鼓台が華麗だったことが文献や口承で伝わっている。
これらの歌詞は『郷土研究 上方』の大阪の夏祭り特集号にも載っていた気がする。


浪速区
・浪速神社:夏祭り7月21日・22日
下記の歌詞は2017年と2018年に夏祭りを見に行ったほか、動画:TaroSannbon大阪祭礼記「平成23年 大阪市浪速区浪速神社夏祭り本宮2」 https://youtu.be/ZT6LWJPX2tk も参考にして書き起こした。
聞き取り不明瞭の箇所は()?でくくった。漢字は適当に充てた。

近江に石山秋の月 月に群雲 花に風
風の便りは田舎から 稲を担いで淡路島
縞の財布に金(かね)五十両 五郎十郎曽我の五郎
たいしははまのさんごろうで ゴロゴロ鳴るのは雷で
ピカピカ光るは稲光
エンヤ エンヤ エンヤサッサ

行こか戻ろか住吉の 住吉浜の高灯籠
上がって沖を眺めれば 七福神の船遊び
中でもえべっさんという人は 金と銀の釣り竿で
黄金のお針で鯛釣って 釣ったタイはヒメコダイ
(ひめこだいこで)?嫁もろて もろた嫁はべっぴんで
隣の嫁もべっぴんで べっぴん同士が喧嘩して
どちらもケガなきゃおめでたい
エンヤ エンヤ エンヤサッサ

一つ二つ三つ四つ 五つの上は六つ七つ
ななやの船頭まつえもん まつえもん さえもん ふじのやま
ふじのやまにはさいごうじ 西郷さんの昼寝にかさ着せて
青竹持たせて伊勢まいり
エンヤ エンヤ エンヤサッサ

そもそも浪速のこの村は 渡辺村から始まって
語り継がれるいにしえの 大坂築城 ふりだしに
無理やり住むとこ変えられて 野江に 天満 博労町
福島 三ツ寺(みってら) 難波村(なんばむら) もすこし下れば西浜で
今に至って浪速町
エンヤ エンヤ エンヤサッサ

昔の人の言う事にゃ 太鼓 履き物 なりわいで
幾多の苦労を乗り越えて 日本一の革の町
今は面影薄れども 心に誇り忘れずに
今日も(響くこの太鼓)? これから先の人たちに
伝え続ける夏祭り 伝え続ける夏祭り
エンヤ エンヤ エンヤサッサ

参考動画:https://twitter.com/maturi9876/status/1021025358571659264




・難波八阪神社:夏祭り7月13日・14日

行(ゆ)こうか戻ろか住吉の  住吉浜辺の高灯籠(たかとうろ)
上がって沖を眺むれば  七福神の楽遊び(らくあそび)
中でも戎(えびっ)さんといふ人が  金と銀との釣竿で
黄金(こがね)の針で鯛釣って  釣ったお陰で嫁もろて
もろた嫁さん別嬪で  隣の娘さんも別嬪で
別嬪同志が喧嘩して  どちらも怪我のてええじゃないか
オラガ エエヤ エヤサッサ

近江 石山 秋の月  月に村雲 花に風
風の便りは田舎から  唐をかくせし淡路島
縞の財布に金五十両  五郎十郎は曽我の事
事の始めは弘法大師  たいしは嵐の三五郎で
ゴロゴロ鳴るのは雷で  ピカピカ光は稲光り
光り輝く大阪の  難波八阪の夏祭り
オラガ エエヤ エヤサッサ

一とや 二たや 三四(みよ)五  五つのお次は六つ七つ
浪速の船頭は松右え門  松右え門 宗右え門 富士の山
富士の山には笠きせて  竿竹持たせて伊勢まいり
お伊勢まいりは花ぼたん  ぼたんに唐獅子 竹に虎
虎追うて走るは和藤内  和藤内には知恵貸そか
知恵の中山誓願寺(じょうがんじ)  誓願寺の和尚さんは坊さんで
坊さん蛸喰いへとついて  その手でお釈迦さんの顔なぜた
お釈迦さんもあきれてとんで出た
オラガ エーヤ エラサッサ

一富士二鷹三茄子  一は富士の巻狩りで
曽我の五郎と十郎の  兄弟裾野の夜嵐に
工藤祐経(くどうすけつね)討ち取った  二は鷹の羽打ち違い
赤穂浪士の面々が  恨みも積もる雪の夜に
吉良の上野介討ち取った  三は上野の仇桜
荒木又右え門は吉村が  渡辺数馬の援助して
河合又五郎討ち取った
オラガ エエヤ エラサッサ
 難波八阪神社の祭りで掲げられている歌詞から引用 
 「のぉ的自悠時間 新館:平成24年の夏祭り “難波八阪神社”」 http://blog.livedoor.jp/nohzoh/archives/29348507.html に歌詞の写真掲載



同じく難波八阪神社の歌

牡丹に唐獅子 竹に虎
虎追うて走るは和藤内
わとないお方に知恵かそか
知恵の中山誓願寺
誓願寺の和尚さんぼんさんで
ぼんさんタコ食うてへとついた
エヤホーノ エヤサッサ
 上田長太郎『上方叢書第貳篇 大阪の夏祭』p59より引用




・廣田神社:7月22日・23日 ※新世界部会は近い平日(土日避ける)
 関谷部会は巡行で歌う。新世界部会は2017年に見に行ったときは歌っていなかったが歌詞はある。他の部会は不明。

 新世界部会の歌詞
夏祭太鼓音頭
行こうかもどろか住吉の 住吉浜辺の高灯籠
上がって沖をながむれば 七福神の楽遊び
中でも戎さん(えべっさん)という人は 金と銀の釣竿で
黄金の針でタイ釣った 釣ったタイはめでたいな

ひとや ふたや みよい いつつの先にはむつななつ
なにわの先祖はやっちゃえもん
ちゃえもん さえもん 富士の山 富士の山にはさいほうし
ほうしの頭にかさ着せて さおだけ持たせて伊勢参り
エーラ ホーラ エラサッサ
  歌詞カードより引用



 関谷部会の歌詞
廣田の宮の夏祭り あよいしょ
清い心の里人の あよいしょ
叩く太鼓の勇ましさ あよいしょ
えーら ほーら えらさっさ
(以下、あよいしょ省略)

行こうか戻ろうか住吉の 住吉浜辺の高灯籠
登って沖を眺むれば 七福神の楽遊び
中でも戎っさんと言う人は 金と銀との釣り竿で
黄金のお針で鯛釣った 釣った鯛は目出度いな
えーら ほーら えらさっさ

一夜 二夜 三・四夜  
五つの先は六つ七つ  
浪速の先祖は やっさえもん
さえもん さえもん 富士の山
富士の山には さいほうし
ほうしの頭に 笠きせて
甘酒もたせて 伊勢参り
えーら ほーら えらさっさ~

一掛け 二掛け 三掛けて 
四掛けて 五掛けて 六掛けて
橋の欄干 腰掛けて
えーら ほーら えらさっさ~
  歌詞カードと「梅に鶯 松に鶴~ 廣田神社 夏祭」 http://motersada.blog38.fc2.com/blog-entry-59.html より引用
  「廣田の宮の~」の歌詞は廣田神社の夏祭りオリジナルソング(演歌調)にも用いられている。
 参考動画:https://twitter.com/maturi9876/status/1021369413180665856




西成区
・敷津松之宮西成分社:夏祭り7月16日・17日 神輿等は近い土日などに巡行
松之宮地区は7月初旬休日に巡行

松之宮こどもみこし 太鼓はやし歌
一 一つ二つ三つ四つ 五つの上が六つ七つ
  浪速の船頭松右ェ門 右ェ門(うえもん) 左ェ門(さえもん) 富士の山
  富士の山には西行さん 西行さんの昼寝に傘きせて
  青竹持たせて伊勢まいり
  エーヤ エーヤ エヤサッサ
二 近江石山秋の月 月にむら雲花に風
  風の便りは田舎から からをかくした阿波の島
  縞の財布に五両十両 五郎十郎曽我のこと
  エーヤ エーヤ エヤサッサ
三 牡丹に唐獅子竹に虎 虎追うて走るは和藤内
  わとないお方に智恵かそか 智恵の中山千願寺
  千願寺の和尚さんは坊さんで 坊さん頭がまん丸い
  エーヤ エーヤ エヤサッサ
 動画:まつのみや西成区「2017年夏、松之宮子どもみこし」(https://youtu.be/j0w1y1wIX6s?t=18s)内の歌詞より引用(筆者が一部加筆)




・津守神社:夏祭り7月20日・21日

一(ひと)や二(ふた)や三四五(みよい) 五つの上にも六つ七つ
なにわの(せんぞはわっちゃもん?) (わっちゃもん?)そえもん 富士の山
富士の山には???(西行法師の訛り) ○○○○○
さおだけ持たせて伊勢参り
ソーラ エーンヤ エンヤサッサ 

行こうか戻ろうか住吉の 四社の前なる反れ橋
上がって沖を眺むれば 七福神の(夏祭り)?
中でもえべっさんという人は 金と銀との釣り竿で
黄金の針で鯛釣って 鯛釣ったおかげで祀られて
今ではえびすの福の神 
ソーラ エーンヤ エンヤサッサ

近江石山秋の月 月に群雲 花に風
風の便りは島田から 瓦(俵?)を隠せし淡路島
縞の財布に四五十両 五郎十郎 曽我の五郎
たいしは嵐の三五郎で ゴロゴロ鳴るは雷で
ぴかぴか光る稲光
ソーラ エーンヤ エンヤサッサ

 撮影した動画から書き起こし。一部聞き取れず。





住之江区
・高崎神社:夏祭り7月第4土日
南加賀屋

加賀屋新田 昔から
担ぎ伝えたこの太鼓
そんじょそこらにない太鼓
ベーラベーラベラショッショ

加賀屋名物この太鼓
金の太縄 黒檀柱
欄間彫物見ておくれ
ベーラベーラベラショッショ
   
参考サイト:高崎神社公式サイト「布団太鼓」 http://www.takasakijinja.com/futondaikohozonkai 


南加賀屋の布団太鼓は堺に準じた祭りの形態


住吉区
・生根神社:秋祭り10月

太鼓の歌
一つや二つやみよえ
よろいの人形 かあかあえ
赤えのすいもんたこの足
おわせ難波の大えんじ
なあんでそんなに おしゃんすか
おしゃんす長持 はさん箱
すばこを持ってたてまつる
たてまつ提灯にぎやかに
にぎやか じゃらすけ たけひこや
そろって走るはまとおなり
まとないお方に智恵かそか
智恵の天神 生根さん
生根神社は福の神
えんやこら えんやさっさ
えんやこら えんやさっさ
 提供いただいた歌詞カードより
 動画:nohzoh「生根神社 太鼓歌」 https://youtu.be/mTYdCINt6YA 


「い、二う、三い、四う、鎧の人形顔赤い、赤鱏(えい)の吸い物タコの足、おあし難波の南蛮寺、なんでそんなにおしやすえ、おしゃんす長持、挟箱、重箱、お茶箱、お供に奉る、松明、提灯、賑かな、……」という遊戯唄が元歌か。(竹久夢二(1922)『あやとりかけとり : 日本童謠集』p185より NDLデジタルコレクションで閲覧 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/977925
赤エイの吸い物タコの足というのは、どちらも夏が旬のおいしいものだから誰にも食わすなということ。


阿倍野区
・阿部野神社:7月21日・22日
 21日の子供太鼓巡行で歌あり。

四色の人形抱え
(よいろの にんぎょう かかえ)
赤鱏吸物蛸の足
(あかえい すいもん たこのあし)
お足難波の南円寺
(おあし なんばの なんえんじ)
  「赤エイは阿倍野の味?! [絵に描いたどじょう地獄]」 https://audrey-hotaru.blog.so-net.ne.jp/2012-03-01 より引用


上記の歌詞は一部。手打ちの掛け声が似ている生根神社(住吉区)と類似の歌詞と思われる。




言葉の解説
・稲荷の鳥居に猿の尻:どちらも赤いもの
・押せ押せ下関:相撲甚句でよく使われる言い回し。西回り航路の経由地である下関。
・おせきが弟は長吉:双蝶々曲輪日記の登場人物。相撲取りの話なので上の「おせおせ下関」から連想される。
・ちょきちょきあばばにおつむてんてん:赤ん坊のあやすときの言葉

・行こか戻ろか:この言い回しは日本各地の甚句や民謡にも見られる。
・住吉の四社:大阪の住吉大社の本殿は4つの社殿からなる。住吉大神と総称される三柱の神に加えて神宮皇后が祀られている。
・四社の前なる反橋:住吉大社の正面参道にある反橋の事。太鼓橋とも呼ばれる。
・住吉浜の高灯籠:往古は住吉大社のすぐそばまで海が迫っていた。高灯籠は灯台の役割を果たした。
・おかか:妻の事。漢字では「お嬶」と書く。
・かわらけ:素焼きの陶器のこと。転じて、年頃になっても下の毛が生えていない女性を指す隠語。
・どっちもけがなし、ええじゃないか:かわらけ(=毛がなし)と怪我なしをかけている。

・牡丹に唐獅子竹に虎:古くから伝わる良い取り合わせ
・和藤内:国姓爺合戦の登場人物。虎退治で有名。
・知恵の中山清閑寺:歌中山清閑寺が尻取り唄のために変形した言葉。
・ぼんさん鉢巻こたえがない:ことわざ。しまりがないこと。

・近江石山秋の月:近江八景のひとつ、石山の秋月。近江は今の滋賀県。
・月に叢雲花に風:美しいものはすぐになくなってしまうということ。
・唐を隠せし淡路島:大阪から見て淡路島は遠くはるかかなたの中国大陸(唐)を隠すように大阪湾に浮かんでいる。
・縞の財布に四五十両:『仮名手本忠臣蔵』の五段目・六段目のキーアイテムである財布のこと。
・五郎十郎は曽我の事:仇討で有名な曽我兄弟の二人の事。歌舞伎や浄瑠璃の演目にもなっている事件。難波八阪神社の歌では曽我兄弟のほかに同じく三大仇討ちの赤穂浪士の討ち入りと伊賀越えの仇討ちも歌われている。
・雷子は嵐の三五郎:嵐三五郎という歌舞伎役者の名跡。俳名は雷子。
・浪速の船頭は松右衛門:歌舞伎「ひらかな盛衰記」の「逆櫓の段」の登場人物の松右衛門のこと。物語の舞台が大阪の福島なので浪速の船頭。
・富士の山には西行法師:日本画に富士見西行という題材がある。江戸しりとり歌では「富士見西行後ろ向き」と歌われる。
・西行さんの昼寝に傘きせて:四国霊場八十八ヶ所・第72番札所 曼荼羅寺(香川県善通寺市)に西行法師の昼寝石と笠懸桜がある。

・知恵の中山清閑寺・誓願寺・千願寺:どこのお寺か特定できないが2つは実在するお寺のようだ。
  清閑寺:京都市東山区にある山号を歌中山という清閑寺の事か。
  誓願寺:京都市中京区にある誓願寺の事か。
  千願寺:この名前の寺は実在しないようだ。音に適当な漢字をあてたものか。
長琴子 編(1916)『地口須天宝』には「……ものだの森の狐をうかそ うかそ中山せいがんじ がんじ元来殺生石か……」という地口が載っていて、「うかそ中山せいがんじ」とは歌中山清閑寺の転訛である。
尻取り唄は前後の文句によって言葉が多少変わるものだから「歌の中山清閑寺」をもじって「知恵の中山清閑寺」になっているんだと思う。

・和尚さん、おっさん、お住さん:方言で和尚さんの事をおっさんと呼ぶことがある。お住さんは住職の事。
・たこ食うてへとついた:おいしいものでも食べ過ぎは良くないということわざ。「へとつく」とは嘔吐すること。
  落語「三十石」の始めの方、京都の誓願寺の前を通りかかる場面で「誓願寺の和尚さん坊さんで、坊さん蛸食うてへとついた」のわらべ歌が引用される。
・その手でお釈迦さんの顔なぜた:大阪府、愛知県、長野県、石川県、秋田県、福島県、島根県などに「……、かき餅(又はオヤキ、団子)焼くてて臍焼いて、その手で御釈迦の顔撫でた、……」というような歌が伝わっている。「へそやいた」と「へとついた」の音が似ていることからこの句が繋がるのだろう。
・猫を紙袋に押し込んで:童謡「山寺の和尚さん」で有名なフレーズ。この歌謡曲の元歌は「ぽんやん節(ぽんにゃん節)」という江戸後期に流行した手毬歌。



大阪市内では「行こうか戻ろうか住吉の」、「石山の秋の月」、「牡丹に唐獅子竹に虎」、「一とや二とやみよい」の主に4種類が歌われている。
「行こうか戻ろうか住吉の~」の歌は前半は住吉大社周辺の情景やえびす様のことを歌っているが、後半には「かわらけ」という隠語を使った下ネタを含み、子供が歌うには不適切だとして歌詞が変わっていることがある(難波八阪神社、港住吉神社、浪速神社など)。
「石山の秋の月~」は堺の布団太鼓でよく歌われるが、大阪市内では「風の便りは田舎から、唐を隠せし(or稲を担いで)淡路島」が省略されずに歌われている。ただし此花区の高見太鼓は堺市芦原濱の歌詞を参照しているため堺風。

大阪市内では太鼓台が西部・南西部・中央部に多く分布しているため、歌も同じような分布になる。
ただし現在、必ずしも大阪市内の全ての太鼓台で歌が歌われているわけではない。


太鼓台担ぎ歌の原型は江戸末期から明治初期にかけて流行したしりとり歌というわらべ歌の一種だと考えられている。
似たような歌詞を含む民謡・童謡は全国に広まっていて、よく知られているものとしては「江戸しりとり唄」がある。
「牡丹に唐獅子 竹に虎 虎をふんまえ 和藤内」や「縞の財布に 五十両 五郎十郎 曽我兄弟」などが共通した言葉も含まれるが、大部分は現在大阪で主流な歌詞とは異なる。(参考:「世界の民謡・童謡 江戸しりとり唄 牡丹に唐獅子」 http://www.worldfolksong.com/songbook/japan/minyo/shiritori-botan-karajishi.html )


参考サイト
「太鼓勇め歌  伝法考」 http://miyosino.web.fc2.com/maturi/uta.html
「~布団太鼓~ 野出町太鼓台」 http://www.futontaiko.sakura.ne.jp/index.html
「YC貝塚ホームページ」 http://yc-kaizuka.o.oo7.jp/index.htm
「松蔭先生の蛸あらかると」 https://sites.google.com/site/octopusways/
「駒澤大学総合教育研究部日本文化部門 「情報言語学研究室」のホームページ」内「言葉の泉(7)尻取り」https://www.komazawa-u.ac.jp/~hagi/ko_shiritori.html
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