祭りの写真など

縣祭り、2017年6月5日

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2017年6月5日、京都府宇治市の縣祭り(県祭り)を見てきました。縣祭りは曜日関係なく毎年6月5日に行われます。
縣神社の例祭で、宇治神社のお祭り(幣渡祭)でもあります。
縣は県の旧字で、あがたと読みます。縣って書くのがめんどくさいので常用漢字の県と書くこともしばしば。意味は同じですし。
今回、めっちゃ分量多いです。

祭りの舞台はJR宇治駅周辺、宇治橋西詰め~縣神社~宇治神社御旅所を結ぶ三角形の道路のエリアで、午前10時頃から車両通行規制がかかって歩行者天国になり多くの夜店が立ち並びます。
縣祭りは宇治市最大のお祭りです。いやむしろ夜店の数では京都府はおろか関西でも一二を争う規模でしょう。主催者発表で12万人を超える人が訪れます。曜日や天気によって毎年前後するでしょうが。
祭りの日は個人商店はおろか、コンビニまでもが臨時休業します。一部の居酒屋系のお店は店先でいろいろ売ってましたが。コンビニは上の写真の通り、深夜は休業という形をとるので注意が必要です。
客層は夜店目当ての若者が多いです。浴衣姿のカップルも見かけますが、夜も遅くなればヤンキー比率が高まっていきます。
余談ですが、京都アニメーション制作の響けユーフォニアムというアニメで縣祭りが登場したそうで、聖地巡礼を目的としたアニメファンもたまに見かけます。ユーフォファンは縣祭りを訪れて、大吉山に登ってトランペットを吹くそうです(真偽不明)。祭りマニア・民俗マニアその他のマニアには知られた祭りでしたが、アニメ効果ってのは恐ろしいもんです。


ここまで私らしくない、夜店の状況をメインに置いた文章を書いてきましたが、この祭りの本命はそこではないです。
縣祭りの核となる行事は梵天渡御です。
梵天と呼ばれる巨大な御幣に神様を遷し、これを神輿として担いで宇治の町を練り歩くものです。道中ではぶんまわしとか横倒し(横ぶり)とかいった激しい練りが行われるので好きな人は好きに違いない!ギャラリー少ないから見放題やで!
往古、梵天渡御の際には全ての家が灯りを消したと言われ、このことからくらやみ祭りとかくらやみの奇祭とか呼ばれるそうです。今では道中の明かりについて厳格ではないですが、梵天に神様を遷すときは真っ暗闇の中で行われますし、灯りをつけたら怒鳴られます。
江戸時代とかだと暗闇にまぎれて男女がまぐわいあった卑猥な祭りだったとも伝わりますが、今はそんなこと全くないです、というか京都府警がめっちゃ警備してるんでね?

そんな祭りの根幹である梵天渡御ですが、非常に深刻な問題を抱えていることをご存知の方も多いと思います。
縣神社と梵天渡御の担い手集団である奉賛会の対立によって、縣神社の梵天と奉賛会の梵天がそれぞれで渡御を行う分裂開催という状況になっているということです。
2004年以降分裂開催が続いていましたが、2014年に奉賛会が渡御を自粛し関係が改善されるかと期待されました、しかし、関係は改善されず2015年以降も分裂開催が続き、2017年も分裂開催となりました。分裂開催か否かは毎年、新聞記事が出るくらいには地元の関心事です。
この分裂開催の問題は奉賛会と縣神社の単純な対立だけでなく、縣神社と宇治神社の祭神観についての認識の違いというのがあって一筋縄での解決は見込めません。信仰の根幹である祭神についての見解が両神社で異なっており、宗教の問題は法律で裁定できないのでシビアです。
また、縣神社の梵天そのものも2004年から毎年出るようになってすでに10年を超える歴史があるので、たとえ正常開催が可能になったとしても奉賛会か縣神社かどちらか片方だけの梵天で渡御するのは担い手の感情面から難しいのではないでしょうか。
地元の人の多くはかつてのように合同で開催されることを望んでいるそうです。対立のせいで日常生活の中の人間関係までぎくしゃくしているとかなんとか……。

梵天渡御のコースですが
・奉賛会
 23時:宇治神社御旅所出発→24時:宇治橋西詰め到着、式典→25時:宇治神社御旅所到着
・縣神社
 24時:縣神社にて神遷しの後、神社前でぶんまわし他→25時:還幸祭
・2002年以前の本来のコース
 宇治神社御旅所→宇治橋西詰め→縣神社→宇治神社→縣神社
 (2003年に最後に縣神社に帰らなかったことで分裂開催)

祭りのタイムテーブルは以下です。
・10時、縣神社にて朝御饌の儀
・10時ころから夜店の設営・ぼちぼち営業開始および道路の通行規制開始
・17時、縣神社にて夕御饌の儀(大祭式)
・19時、縣神社にて護摩焚奉修
・22時半、宇治神社御旅所へ奉賛会集合
・22時半、夜店撤収作業開始
・23時、宇治神社御旅所から奉賛会の梵天渡御出発
・24時、宇治橋西詰にて奉賛会の梵天渡御の神事
・24時、縣神社にて渡御の儀
・25時、縣神社にて還幸祭
・25時、宇治神社御旅所に梵天が帰る
・25時、通行規制全面解除
このほか主に夕方以降に縣神社と宇治神社御旅所では奉納演芸などあり

ちなみに、2017年6月現在、
JR宇治駅の終電は京都行が23:49(京都で大阪行き最終に2分で接続)、奈良行が0:22、始発は京都行が5:24、奈良行が5:56
京阪宇治駅の終電は中書島行きが0:36(中書島で接続列車なし)、始発は中書島行5:17

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宇治橋西詰めの交差点。鳥居の道を進めば縣神社、右側の道を進めば宇治神社御旅所。ちなみに見切れている左の道を進むと平等院鳳凰堂。つまり、3つの参道の交差点って感じ。ちなみに御旅所への道は奈良街道。
10時頃からすでに交通規制されていて、夜店が設営中。


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縣神社。


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縣神社の梵天。


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宇治神社御旅所。ガソリンスタンドの横です。


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宇治神社御旅所前から撮影。左の道を進めば宇治橋、右の道を進めば縣神社。
三角形の道と言いますが、宇治橋~宇治神社御旅所の道を斜辺としたおよそ3:4:5の直角三角形に近いかも。


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梵天の露払いの役割の獅子。雌雄ある。獅子舞の獅子頭を担ぐようなイメージ。
本来は二つとも担ぐそうですが、今年は人手の関係で片方だけが渡御に参加しました。


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宇治神社御旅所拝殿に安置された梵天


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同じく拝殿に安置された神輿
この神輿は5月中旬の神幸祭で宇治神社(本社)から渡御してきて、6月中旬の還幸祭で本社へ帰るそうです。
縣祭りの梵天渡御は宇治神社としては幣渡祭という行事に当たるそうで、どうも1か月間に渡る御神輿渡御の中の行事の一つというような認識になっているように私は感じました。
京都辺りではお神輿が1週間から1か月くらい御旅所に安置されるのは珍しくないです。
ちなみに、昨今流行している御朱印ですが、宇治神社御旅所は普段は無人のため、御朱印を頂けるのは還幸祭、縣祭りなどのお祭りの日だけです。ある意味限定。





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22時頃の様子です。人ごみでもみくちゃです。ゴミが路上に散乱しています。


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そしておまわりさんもお疲れ様です。



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22時半、御旅所へ。


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出発前のあいさつなど。
奉賛会の会長さんのほか、観光協会の人や警察の人も。
警察の人からは時間遵守、安全にってお話。
観光協会の人がここにいるということは、観光協会は奉賛会側の立場なんでしょうか?
ところで、拝殿には奉賛会の組の提灯が掲げられています。守口、野江、盾津、御影、京橋、姫路、河内、萱島、枚方、鳥飼なんかの地名が見えます。
奉賛会は主に大阪府・兵庫県の人たちで組織されています。もちろん地元京都府の方もいらっしゃいますが。
過去には宇治神社御旅所で天神囃子を奉納した組もあったそうです。昔は姫路辺りの組はマイクロバスを貸し切ってきていたとか。


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23時前、出発時間まで参道で待機しているお獅子と梵天
この時、夜店はすでに営業を終え、あわただしく撤収作業中。訪問客もあらかた帰っています。
梵天渡御を見ているのは、参加者の関係者、報道、カメラ趣味などの梵天渡御を目的にしている人と、賑やかなことが好きなヤンキーなど。


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23時、宇治神社御旅所前に出てきた獅子
獅子の担ぎ手はほとんどが京都の方だそうで、掛け声はよいやよいや
手締めは「よいさの、よいさの、よいさの」と言った感じで全体的に京都の神輿風。


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シーソーのように、縦ぶり


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横に倒す、横ぶり


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ぶんまわし
酔っ払いが大声で囃し立てるのは深夜だからしょうがない。


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ぶんまわし



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続いて梵天が出てきました。
梵天の担ぎ手は兵庫や大阪の方だそうで、かけごえはわっしょい。
手打ちは「うちまーしょ、もひとつせ、いおうてさんど」


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ぶんまわし
周りはストロボの嵐なので、ストロボを切って適当なシャッタースピードで撮るとこうなります。
ひととおり暴れたら小休憩の後、獅子が先に出発


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旧道ではなく、幹線道路を行きます。
深夜の大通り……平野の曳き出しを思い出しますね?


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途中に飲み物休憩を挟んで、23時45分ころ、宇治橋西詰へ。
JR宇治駅から京都行の終電はもう発車したころです。


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こんな感じ


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向こうの鳥居が縣神社の鳥居です。
昔、2003年までは向こうまで行ってたんでしょう。
付近の自動車には一応、前照灯の消灯をお願いに回っていました。くらやみ祭りなんで。


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梵天も
宇治橋西詰が奉賛会側の梵天の一番の見どころになります。


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24時ちょっと前、交差点上で神事です。神職は宇治神社からの方です。
ところで、20分以上この交差点は通行止めになるので、深夜とは言え・・・




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24時を少し過ぎて、橋の西詰から300mかそこら離れた縣神社前へ。
すでに梵天が暴れていました。
こちらは灯りに厳格で、神遷しの時にやっちゃうとめちゃくちゃ怒られるそうです。


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ストロボの嵐
理科の教科書に載っているボールの放物線の軌跡みたいな写真に


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2004年から毎年出ている縣神社の梵天


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担い手は縣梵天講という名前の講みたいです。奉賛会に対して、こちらは地元の方々が主のようです。
分裂開催から10年以上も経っています。今年見た限りで、縦ぶりはこちらの方が激しいものでした。奉賛会とは微妙に担ぎ方なども違うかもしれません。
もはやこちらも一つの伝統ある梵天となりつつある、あるいはなっているのではないかと思います。もし将来、再び梵天渡御が合同開催されるようになったとしても、奉賛会と縣神社のそれぞれの梵天を一本化してどちらかだけにしてしまうのは惜しいようにすら思います。


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ギャラリー層の比較で言えば、こちらの方が平均年齢高めのカメラマンが多かったように思います。
縣神社の梵天は神社前で暴れるのみなので移動距離はほぼゼロ
20分~30分ほど同じところで暴れるので撮影しやすいのでしょう。



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24時半過ぎ、JR宇治駅から奈良への終電が出た後、京阪宇治駅からも中書島行き終電が出たころ、奉賛会の梵天の最後の暴れ
いまさらですが、梵天には白装束の男性が乗っています。もちろん縣神社の梵天にも。
回転や横倒しなどの激しい動きの中で、両足で踏ん張って片腕だけで梵天にしがみついているのですから尋常ではありません。
奉賛会の方はボディビルの選手なのだとかなんとか。

この後、御旅所に入り、全ての灯りが消されて梵天は拝殿内へ。
神様を遷すのは本来は真っ暗闇の中で行われるものだったそうで、現在でも奈良の春日若宮おん祭りや伊勢の神宮の遷宮で神様を遷すのは深夜ですね。夜は神の時間というか。
そして25時、手締めで終わりました。



まとめ
縣祭りは縣神社と宇治神社の両者の祭りであること
神社の対立で2003年から分裂開催になっていること
関西でも指折りの数の夜店が出ること
梵天には白装束の人が乗っていること
帰りの足を何とか用意しなければならないこと


ところで、どうしても私は梵天とか横倒しとか見ると

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を思い出すんですが、何か関連はあるんでしょうかね?写真は尼崎市小田地区の太鼓
梵天太鼓とか呼ばれる太鼓台。尼崎周辺の梵天太鼓は回転、横倒しなどの激しい動きをします。
まあ、所作が似てるのはたまたまでしょうし、梵天も御幣の形としてはそれほど珍しいものでもないのできっと偶然でしょうが。


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↑の写真は大阪市西淀川区中島の梵天太鼓

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写真は吹田市江坂の太鼓御輿


いろいろとありがとうございました。
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  1. 2017/06/07(水) 06:56:59|
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